■ 金融機関との事前調整

金融機関に関しては,事前に何度か調整しておくことが必要です。というのも,金融機関自身が遺産を巡るトラブルに巻き込まれるのを非常に心配しているので,申請書類に関してもいろいろと要望が出ることがあります。結構細かい部分で要望が出ることもありますが,金融機関と揉めても余計な時間がかかるばかりなので,やはり要望に沿うように申請書類を作成するのがいいでしょう。

また,法務局と郵便局に提出する書類はほとんど全国一律ですが,金融機関に関しては求められる書類も少しずつ違ったりします。戸籍等もすべてが必要ではなかったり,他の書類もコピーでOKだったりと,金融機関毎に異なるので,やはり金融機関との事前の打ち合わせは欠かせないです。

また,口座が設けられた支店以外で,預金の払戻手続きをする場合,例えば,相続人が故人の住所地から遠い場所にお住まいの時などですが,払戻手続きを行った支店ではすぐに現金を渡してもらえない場合があります。わざわざ口座の設けられた支店から払戻手続きを受けた支店に送金してもらうことがあります。金融機関にもよるのですが,送金の時間も必要なことから,現金を渡してもらうのに日数がかかることもあります。このような事項も確認しておけば安心ですので,いろんな意味で金融機関との事前調整は大事です。

ここまでたどり着いて,ようやく相続手続きは完了です。

■ 添付書類

さて,相続財産の名義変更までたどり着くと,相続手続きも最終段階です。後は,金融機関や法務局から求められる必要書類を作成し,添付書類を収集・整理して,各窓口で手続きをすれば完了します。ここでは,添付書類等のポイントに触れておきます。

まず大事なのは,相続人調査のところでご説明しましたように,故人の出生から亡くなるまでの戸籍等です。この戸籍等を1セットとし,金融機関や法務局,陸運事務所などでもそれぞれ同じものが必要なので,余裕を持って複数セットの戸籍等を集めておくことをお勧めします。短期間でスムーズに名義変更が可能です。

また,前述の遺産分割協議書も,相続人の人数分+金融機関等の数ぐらい作成しておけば準備万端です。その他にも手続毎に求められる書類が異なりますが,代表的なのは固定資産評価証明書印鑑登録証明書でしょう。特に,印鑑登録証明書はほとんどすべての手続きに必要なので,各相続人にはそれなりの枚数を用意してもらっておくといいでしょう。