■ まずは相続人の確定!〜誰が相続人なの?

  まず,相続手続きで一番最初にとりかかるのは,相続人は誰なのかということを確定させる作業になりますが,初めに相続人になりうる親族を確認しておきます。

● 相続人になりうる親族

相続人になりうるのは,以下の親族です。
   
@まず,第一順位として,故人の子供はすべて相続人となります。子供で先に亡くなっている方がいる場合などには,その子供すなわち故人の孫,さらには曾孫も相続人になる可能性があります。

この場合の孫や曾孫を『代襲者』といいます。

A子供及びその代襲者がいない場合は,第二順位として直系尊属,すなわち故人の父母もしくは祖父母が相続人となります。
  

B子供とその代襲者,父母・祖父母もいない場合は,故人の兄弟姉妹が相続人となります。兄弟姉妹で先になくなられた方がいる場合などは,その子供すなわち故人の甥・姪   も相続人になりますが,子供の場合と異なり,甥・姪よりも下の世代は相続人になれません

Cそして忘れてならないのは,故人の配偶者です。故人に配偶者がいる場合,配偶者は常に相続人となり,上記相続人と同順位となります。

■相続人調査の重要性

 次に,上記の相続人になりうる親族のうち,実際には誰が相続人になるのか確定させなければならず,そのためには相続人調査が必要です。そこで,まず相続人調査の重要性についてご説明します。

 私共にご相談やご依頼をいただく以前の段階で,故人のご親族が,誰が相続人になるのかをすでに把握しているケースが多いのですが,必ずしもそういうケースばかりでもありません。相続人となるべき者が遺産分割協議に参加していなかった場合,その分割協議自体が無効になってしまいます。場合によっては,裁判になる可能性も生じてきます。そういうわけで,相続人調査は,他に相続人がいないのか見逃さないように慎重かつ正確に行わなければなりません。

 そして,何よりも相続人を確定させて他に相続人がいないことを証明しないと,相続財産の名義変更や払戻しができません。法務局に限らず,銀行や郵便局などの金融機関,陸運事務所などでも,相続を原因とする名義変更や払戻しにはこの証明を求めてきます。

■戸籍の収集

 実際の相続人調査は,故人の生まれてから亡くなるまでの戸籍を集めることからスタートします。これが想像以上に大変なんですね。結婚や転居の度に本籍地を移しているケースも珍しくなく,私共の事務所でも全国各地の市町村役場に郵送で戸籍の請求をしています。

 このように,戸籍を請求し,その内容を確認して,次の請求をしていくという作業を繰り返して,必要な戸籍をすべて揃えていくわけですが,この戸籍の収集を完了させるには平均1ヵ月はかかります。

■相続関係説明図を作成

 さて,揃えた戸籍をどうするのかといいますと,故人の記載欄を中心に内容を確認し,最終的に相続人を確定させます。そして,この戸籍が,誰が相続人で,その他には相続人が存在しないということを証明するための資料となります。
  
 また,この戸籍の内容から,相続関係を説明する図面を作成します。いわば家系図のようなものを作成するわけです。私共が実際に作業する時は,取得した戸籍の内容を確認してから次の戸籍を請求するので,戸籍の請求と相続関係説明図の作成は同時に進行し,相続手続きに必要な戸籍が揃った段階で相続関係説明図も完成します。

 この出来上がった相続関係説明図は,不動産の名義変更に利用します。この図面を添付しておくと,後日,法務局から証明資料として提出していた戸籍等を返却してもらえます。他の相続財産の名義変更や払戻手続きにも利用できるので,ほとんどの方が戸籍等を返却してもらっています。ただし,実際上は各手続きにそれなりの日数がかかることから,不動産の名義変更用とは別に口座のある金融機関毎に戸籍等を揃えた方が,かなりスピーディーに手続きを終わらせることができるので,その点も見据えて請求の時点で戸籍の通数を調整しておくことをお勧めいたします。なお,法務局に提出する相続関係説明図とは様式が異なりますが,郵便貯金の名義変更や払戻しにも相続関係を説明する図面は必要です。
    
 それでは,相続人が確定しましたら,次に,誰が何を相続するのか,いわゆる遺産分割を行うことになります。